扇子(せんす)は、うちわと同じく自分の手で風を送るのに使用します。
数十本の細長い竹や木で出来た骨を束ねて端の一点で固定し、使わないときは折りたたみ、使用時にひろげて使用します。
骨には大抵和紙が貼られ、開くと紙を貼られた部分が扇面となります。
折り畳むことでコンパクトに納めることができます。
開閉の方法は、骨を右手親指でずらすように押すことで開きます。扇子を開く角度は、大体90度から180度の間くらいが使いやすいと思います。
扇子を開いた形は、扇形(おうぎがた)と言い、幾何学の用語にもなっています。このような扇子の形状は、「末広がり」として縁起のよいものとされ、そのため、めでたい席での引出物としても用いられています。
歴史
「扇」という漢字は、本来風に動く軽い扉のことを意味します。そこから転じてうちわのことを言うようになったそうです。うちわは紀元前の中国で用いられたという記録があるます。また古代エジプトの壁画にも、王の脇に巨大な羽根うちわを掲げた従者が侍っている図があります。日本では、利田遺跡(佐賀県)において、うちわの柄が出土した例があります。
このようにうちわは文明発祥時から存在しますが、木の薄板を重ねたり、また紙を折りたたんで製作する扇は日本で発明されたものなのです。平安時代には扇はあおぐという役割だけでなく、儀礼や贈答、コミュニケーションの道具としても用いられるようになりました。具体的には和歌を書いて贈ったり、花を載せて贈ったりしたことが、源氏物語など、多くの文学作品や歴史書に書かれています。このように扇は涼をとったりもてあそび物にされる一方で、時代が下るにつれ儀礼の道具としても重んじられ、公家や武家また一般庶民の別なく、日常や冠婚葬祭での持ち物のひとつとされてきました。
0 件のコメント:
コメントを投稿